魅力あふれる野鳥

春の探鳥小旅行2018その2

八丈島航路で出会った海鳥たち

八丈島

今年の3月下旬、東海汽船八丈島航路のフェリーに乗って甲板から海鳥を探鳥してきました。夜半に竹芝桟橋を出港した船は翌朝九時前には八丈島に到着します。船上での探鳥は夜明けとともに始まります。

 

八丈島航路
八丈島が近づいてきた朝焼けの景色。

 

オオミズナギドリ,Streaked Sherwater
八丈島航路のあちこちで見られるオオミズナギドリ(英名;Streaked Sherwater、体長 49p)の群れ、羽を広げると120pもあるのですが大海原のなかではとても小さく見えてしまいます。

 


海面から飛び立とうと助走するオオミズナギドリ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


水面すれすれを飛行しながら獲物を探します。

 

オオミズナギドリ,Streaked Sherwater
波に向かって飛ぶオオミズナギドリ。

 

オオミズナギドリ,Streaked Sherwater
海鳥はなかなか船の近くには来てくれません。きれいに写すのは運次第?ですね。

 

 

八重根港出で迎えてくれたミツユビカモメ

ミツユビカモメ,Black-legged Kittiwake
船は竹芝桟橋を出てから10時間あまり、ようやく八丈島の八重根港に到着です。出迎えてくれたのはミツユビカモメ(英名;Black-legged Kittiwake、体長 38-44p)です。


ミツユビカモメはユリカモメと同じくらいの大きさで関東では銚子港などで見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八丈島付近で現れたクロアシアホウドリ

クロアシアホウドリ,Black-footed Albatross
朝を迎えた八丈島近海の波間に全身が黒褐色のクロアシアホウドリ(英名;Black-footed Albatross、体長 68-74p)が飛んでいるのが見えました。

 


この写真で、お腹はやや薄い褐色、尾筒あたりは白色で脚は黒いのがわかります。

 

クロアシアホウドリ,Black-footed Albatross
クロアシアホウドリは伊豆諸島や小笠原諸島などで繁殖している海鳥です。

 


クロアシアホウドリは長い翼でほとんど羽ばたかずに帆翔しながらエサを探します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

素敵な二枚目のコアホウドリ

コアホウドリ,Laysan Albatross
船と並行して海面を助走するコアホウドリ(英名;Laysan Albetross、体長 80p 翼開長200p)を見つけました。

 


上手く風に乗って飛び立ちます。

 

コアホウドリ,Laysan Albatross
今回の船での探鳥ではアホウドリ(英名;Short-tailed Albatross、体長 92p 翼開長 240p)を撮影したかったのですが、残念ながらチャンスに恵まれませんでした。しかしコアホウドリもなかなか素敵な鳥ですね。

 


船と並んで悠然と飛ぶコアホウドリ。

 

コアホウドリ,Laysan Albatross
海面に浮かんで一息入れるコアホウドリ。

 

ウミウ,Japanese Cormorant
三宅島の伊ヶ谷港入口のテトラポットにいたのはウミウ(英名;Japanese Cormorant 体長 84p)、波頭の傍のお腹の白い個体はウミウの幼鳥です。
三宅島
35年前、1983年の秋の大噴火で海に流れ込んだ赤色の溶岩の記憶が生々しい海岸部の懸崖。

 


奄美大島探鳥旅行で出会った三大固有種

奄美大島

4月下旬、奄美大島の三大固有種を探す探鳥旅行に参加しました。お天気が不安定な中でガイドさんのリードのおかげで何とか初期の目標の野鳥にお目にかかることができました。

 

オーストンオオアカゲラ,Oweton's White-backed Woodpeker
夕暮れ時の奄美の森で最初に目にしたのはオーストンオオアカゲラ(英名;Owston's White-backed Woodpeker、体長 28p前後)のオスです。本州で目にするオオアカゲラとは違って全体の羽色がとてもくすんでいます。

 

オーストンオオアカゲラ,Oweton's White-backed Woodpeker
こちらは翌朝撮影したメスのオーストンオオアカゲラです。オーストンとは英国生まれの生物収集家アラン オーストン氏(1853-1916年)にちなんだものだそうです。

 

アマミイシカワガエル
探鳥の合間にガイドさんが沖縄固有種のカエル、アマミイシカワガエルを見つけました。アマミイシカワガエルは体長10p前後で鹿児島県指定天然記念物で貴重なカエルです。

 

ルリカケス,Lidth's Jay
続いて会えたのは奄美を象徴するルリカケス(英名;Lidth's Jay、体長 38p 雌雄同色)、この樹洞で営巣準備中のようでした。

 


ルリカケスは国指定天然記念物で鹿児島県の県鳥です。奄美空港の奄美大島紹介ビデオではルリカケスのとてもきれいな映像が放映されていました。
ルリカケス,Eurasian Jay
世界最大の豆「モダマ」の生えている森の上をルリカケスが飛んでいました。

 

モダマ
モダマは熱帯から亜熱帯の常緑樹林で見られるつる性の常緑植物です。豆のサヤは木質で長さが1mにもなる世界最大の豆です。

 

アカヒゲ,Ryukyu Robin
奄美大島を代表する野鳥の三番手はアカヒゲ(英名;Ryukyu Robin、体長 14p)。なかなkオスのアカヒゲに逢えなかったのですが何とか撮影することができました。額から喉、胸の黒色が印象的です。

 

アカヒゲ,Ryukyu Robin
こちらはメスのアカヒゲ、オスとは異なり胸からお腹にかけて濁白色をしています。

 

富士山
奄美に向かう飛行機の窓から撮影した雲海に包まれた富士山。

 

 

 


五月の三番瀬で見かけたシギ・チドリたちの営み

ダイゼン,Grey Plover

潮の引き始めた船橋三番瀬、浜辺には早くもたくさんのシギ・チドリたちが集まっていて思い思いに採餌しています。ここではダイゼン(英名;Grey Plover、体長27-30p)の群れに混じってムナグロ、ハマシギなどもエサ探しです。

 


採餌中にちょっと尾羽を広げて一息入れるダイゼン。

 

ダイゼン,Grey Plover
真剣なまなざしで獲物をさがします。

 


砂の中から大きなイソメを引っ張り出したダイゼンが仲間に見つかって飛び立ちました。N8の標識を付けたムナグロも横取りしようとしています。

 

ダイゼン,Grey Plover
独り占めだよ!

 

キョウジョシギ,Ruddy Turnstone
二羽のキョウジョシギ(英名;Ruddy Turnsrone、体長 21-25.5p)がダイゼンの群れの中で採餌しています。

 


大きなアサリを捕まえたキョウジョシギが仲間やダイゼンから横取りされないように飛び立って逃げていきます。

 

キョウジョシギ,Ruddy Turnstone
悠然と飛行するキョウジョシギ。

 


引き潮から取り残された水たまりで水浴びするキョウジョシギ。

 

オオソリハシシギ,Bar-tailed Godwit
左側、頭部から下面にかけて赤褐色の夏羽のオオソリハシシギ(英名;Bar-tailed Godwit、体長37-41p)のオスです。

 


長い嘴を目いっぱい砂に差し込んでエサを探します。顔の近くまで泥まみれになってます。

 

オオソリハシシギ,Bar-tailed Godwit
こちらは大きく羽を広げたオオソリハシシギのメスです。

 


羽繕いするオオソリハシシギのメス。

 

オオソリハシシギ,Bar-tailed Godwit
まだまだ食べたりない様子のオオソリハシシギ(♀)。

 

ハマシギ,Dunlin
お腹が黒くなった夏羽のハマシギ(英名;Dunlin、体長 16-22p)もあちこちで採餌してます。

 

ハマシギ,Dunlin
アサリを見つけたハマシギ。

 


小休止。

 

ハマシギ,Dunlin
砂浜を飛んで移動するハマシギ。

 


砂浜で休憩するハマシギの群れ。

 

チュウシャクシギ,Whimbrel
すっかり潮の引いた砂浜をチュウシャクシギ(英名;Whinbrel、体長 40-46p)がエサ探ししています。

 


大好物のカニをゲットしました。

 

チュウシャクシギ,Whimbrel
ゆったりと羽ばたきながら獲物のいそうな場所を探します。

 


チュウシャクシギ(左側)の嘴は地面の方に曲がっていますが、オオソリハシシギのは上側に反り返っています。

 

チュウシャクシギ,Whimbrel
日も高くなってきてそろそろお腹は満たされたようです。

 

メダイチドリ,Lesser Sandplover
広い砂浜にメダイチドリ(英名;Lesser Sandplover、体長 19-21p)を見つけました。

 


夏羽のオスです。

 

メダイチドリ,Lesser Sandplover
もう少し近づいて撮影しようと思ったとたんパット飛び立って遠くに行ってしまいました。

 

キアシシギ,Grey-tailed Tattler
キアシシギ(英名;Grey-tailed Tattler、体長 24-27p)も食事しに来ています。

 


綺麗に羽を広げて飛ぶキアシシギ。

 

キアシシギ,Grey-tailed Tattler
小魚を捕らえました。

 

ミユビシギ,Sanderling
夏羽に移行中のミユビシギ(英名;Sanderling、体長 20-21p)も食事中です。

 


こちらに向かって真っすぐに近づいてきてくれました。ミユビシギの正面顔はなかなか可愛らしいですね。

 

ミユビシギ,Sanderling
じっと何かを見つめるミユビシギ。

 

トウネン,Red-necked Stint
水際で採餌する小さなトウネン(英名;Red-necked Stink、体長 13-16p)の家族を見つけました。

 


一生懸命エサを探すトウネン。

 

コメツキガニ,sand bubble crab
シギ、チドリたちの食事が終わって静かになった砂の上に、それを待ちかねていた小さなコメツキガニ(英名;sand bubble crab)たちが顔を出しました。

 


道東知床クルーズでシャチに出会う

シャチ,?killer whale

五月下旬、北海道東部を回る探鳥ツアーで知床クルーズを体験しました。あいにく雨模様の天気で海鳥の撮影はできませんでしたが、クルーズの目玉であるシャチの家族と会うことができました。

 

シャチ,?killer whale
知床半島沖合の海、潮吹きしながら泳ぐシャチ。

 

シャチ,?killer whale
高さ2mもの背びれを誇示するようにすぐ目の前を泳ぐシャチ、すごい迫力でした。

 

シマフクロウ,Blakiston's Fish Owl
クルーズの後の夕暮れ時、羅臼町の鷲の宿を訪ねてシマフクロウ(英名;Blakiston's Fish Owl、体長 71p)を待ちます。宿の前の清流に作られた生け簀にはヤマメやオショロコマが放されていて、日が暮れると近くで営巣しているシマフクロウが食べにやってきます。この日は夕方7時前に早くもやってきて生け簀の近くの立ち木に止まりました。かつてアイヌが村の守護神、カムイと呼んで崇めたシマフクロウはとても大きくて気品と迫力があります。

 

シマフクロウ,Blakiston's Fish Owl
この日最初のダイブで得物の魚を逃して照れくさそうな表情のシマフクロウ、なんだか可愛らしいですね。

 

シマフクロウ,Blakiston's Fish Owl
迫力ある飛び込みで羽をいっぱいに広げたシマフクロウ。今回は見事魚を捕らえました。

 

シマフクロウ,Blakiston's Fish Owl
捕らえた魚を食べるシマフクロウのオス。メスは巣ごもり中なので卵が孵化してヒナが巣立つまでの間はオスが巣穴に魚を獲って運びます。

 

シマフクロウ,Blakiston's Fish Owl
二匹ほど魚を食べた後、次の魚を捕まえたシマフクロウ。

 

シマフクロウ,Blakiston's Fish Owl
捕まえた魚を綺麗にしてからメスの待つ巣のある方を振り返りました。

 

シマフクロウ,Blakiston's Fish Owl
メスに与えるための魚を持って飛び立ったシマフクロウ、この夜はもうここには現れませんでした。

 

国後島
羅臼湾の北側には国後島がはっきりと見えていました。

 

オオセグロカモメ,Slaty-backed Gull
羅臼町周辺にはオオセグロカモメ(英名;Slaty-backed Gull、体長 64p)がたくさん住んでいて、屋根の上などに枯れた枝や草を敷いただけの簡単な巣を作って繁殖しています。

 

タンチョウ,Red-crowned Crane
野付半島の北側の海岸までの草地にはエサを探すタンチョウ(英名;Red-crowned Crane、体長 140p)を見かけました。保護活動の成果が上がり数が増えているようです。

 

ウミアイサ,Red-Breasted Merganser
走古丹の休憩所の海岸近くで数十羽のウミアイサ(英名;Red-breasted Merganser、体長 55p)の群れが海面で騒いでいるのを見つけました。

 


海中に魚の群れがいる様子でカワアイサたちは水中にもぐっては魚を捕まえて食べています。カワアイサの中にはトビウオらしき大きな魚を捕まえて難儀しているのもいます。上空には抜け目のないウミネコたちがそれを横取りしようと狙っています。(被写体が小さ過ぎて分かりにくくてすみません。)

 

オジロワシ,White-tailed Eagle
浜辺に打ち寄せられた流木にオジロワシ(英名;White-tailed Eagle、体長 89p)が海を眺めながらのんびりと食休みをしていました。

 


落石クルーズで出会えた海鳥たち

落石港

一日前とは打って変わり上天気となったこの日は落石港から観光船に乗ってタンチョウクルージングを堪能しました。

 

落石港
8時過ぎクルーズ船は港を出発です。

 

落石港
素晴らしい景色の中を進むクルーズ船。

 

ウトウ,Rhinoceros Auklet
ほどなく姿を見せてくれたのはウトウ(英名;Rhinoceros Auklet、体長 38p)です。

 


ウトウは6月ごろには北海道などの沿岸部の草地に穴を掘って繁殖します。このウトウはお相手を募集中なのでしょうか。

 

ケイマフリ,Spectacled Guillemot
続いて目の周りの白い羽と真っ赤な足がセールスポイントのケイマフリ(英名;Spectacled Guillemot、体長 37p)の登場です。

 


ケイマフリもこの時期はほぼ全身が黒褐色の繁殖羽です。岩場のすき間などに巣を構えます。

 

ケイマフリ,Spectacled Guillemot
小島の岸近くにいたケイマフリの小群。

 

ケイマフリ,Spectacled Guillemot
ケイマフリは飛んでいる時も赤い足がよく目立ちます。

 

シノリガモ,Harlequin Duck
波打ち際で休んでいる3羽のシノリガモ(英名;Harlequin Duck、体長 43p)を見つけました。

 


若鳥なのでしょうか、羽色がはっきりしていません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ツノメドリ,Tufted Puffin
岩場に近い波間に浮かんでいたのはここでは珍鳥のツノメドリ(英名;Horned Puffin、体長 38p)です。

 


この時期ツノメドリはサハリンや千島列島方面などで繁殖するのですが、顔や頬が白くなり嘴の先が赤く基部が太くなって繁殖羽に移行中の個体にここで逢えたのはとてもラッキーでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラッコ,sea otter
水面に何か泳いでいます。ラッコ(英名;sea otter)です。このあたりに時々顔を見せるのだそうです。

 


このラッコは年取っているのか、なかなかいかめしい顔つきですね。

 

エトピリカ,Tufted Puffin
落石クルーズの目玉はこのエトピリカ(英名;Tufted Puffin、体長39p)です。このシーズン今日が初お目見えとのことでとてもラッキーでした。

 


生殖羽のエトピリカですが、日本ではクルーズ船が訪れる根室半島付近の島しょ部だけが繁殖地となっていてとても希少な出会いなのです。

 

エトピリカ,Tufted Puffin
エトピリカはほんのつかの間見ることができただけですぐに何処かに飛び去ってしまいました。

 

 

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