出水市で出会った野鳥たち・・・マナヅルからご紹介します。
ここでは今年1月、九州の有名な探鳥地を訪ねる探鳥旅行に参加して出会えた野鳥たちをご紹介します。
最初に訪れたのは出水市のツル観察センターです。まずはマナヅル(英名;White-naped Crane、体長 127p)です。日本で越冬する6千〜7千羽の半数ほどが出水にやってくるのだそうです。
八代海を干拓してできた広大な田んぼで採餌するマナヅルの家族。目の周りの赤色が目立たない個体は若鳥です。
田んぼで採餌したり休んだり思い思いに過ごすマナヅルの群れ。
間近で見たマナヅル。
夕方になると家族ごとに塒に帰るマナヅル。出水の広い田園地帯を優雅に群れ飛ぶ姿に魅了されました。
圧倒的な数のナベヅル
日本に渡ってくるナベヅル(英名;Hooded Crane、体長 100p)はマナヅルの2倍ほど。その8割ほどが出水にやって来るといわれています。
塒に向かうナベヅルの群れ。
カナダヅルの家族に遭遇
東干拓の餌場近くの田んぼで採餌する4羽のカナダヅル(英名;Sandhill Crane、体長 95p)を見つけました。出水にやってくるカナダヅルは毎年一桁ということで写真を撮れたことはとても幸運でした。
一緒に採餌するカナダヅルの家族(左側の4羽)とマナヅルの家族。
夜明けとともに餌場に向かうツルの群れ
出水市では冬を過ごす2万羽近い数のツルたちを保護するために地元の農家の方々と連携しながら11月から3月の間、塒の確保や毎日の給餌活動を行っています。(保護活動の詳細は出水市ツル博物館のホームページに紹介されています。)
上の写真のように、夜明け前になるとツル観察センター近くや東干拓工区の給餌場にツルたちが集まってきます。
給餌場に向かうたくさんのツルの群れです。写真の下側の水張したたんぼには、まだ多くのツルが残っているのが見えます。
マガモ(英名;Mallard、体長59p)の群れも餌場を目指します。
出水地方には冬鳥のミヤマガラス(英名;Rook、体長47p)も数多くやってきていて先を争って餌場に飛んでいきます。
日の出時間にツル観察センター近くにやってきたミヤマガラス。
もう採餌したあとなのでしょうか?樹上でまったりとしているミヤマガラス。
熊本港からフェリーで島原湾を横断し諫早干拓地へ
九州の旅二日目は出水から熊本港に出てフェリーに乗り一時間ほどで島原湾を渡り諫早を目指しました。
上の写真はフェリーから島原半島を眺望したものです。
フェリーのデッキで島原湾を飛ぶオカヨシガモ(英名;Gadwall、体長50p)の群れを見つけました。
湾内で狩りをしているカツオドリ(英名;Brown Booby、体長 64-74p)の群れを見つけました。
標識ブイの上で羽を休めるカツオドリたち。
諫早干拓地に向かうバスの中で用水路に舞い降りたヘラサギ(英名;Eurasian Spoonbill、体長 83p)を窓越しにシャッターを切りました。ピントが合わず証拠写真です。
遥か彼方まで芦原が広がる諫早干拓地。実は写真の中央付近にタカサゴモズ(英名;Long-tailed Shrike、体長 24cm)がいますが、残念ながら距離がありすぎて解像できませんでした。
芦原の草藪にいたホウジロ(英名;Meadow Bunting、体長 16.5p)のツガイ。
葦原で獲物を探すハイイロチュウヒ(英名;Hen Harrier、48.5-54p)のメス。画像を拡大すると腰の部分の白い羽がわずかに確認できます。
芦原の中の池に一羽だけいたツクシガモ(英名;Common Shellduck、体長62.5p)。
夕暮れ時、山頂部をうっすらと雪化粧した雲仙普賢岳。
有明海の北端部、東よか干潟の鳥たち
九州探鳥旅行の最後の訪問地は佐賀市の南部、筑後川が有明海にそそぐ河口の西側にある東よか干潟でした。潮が引くと途方もなく広大な干潟が現れるため、ここでの探鳥は潮が満ちてくるにつれて浜辺に近づきながら採餌したり休息をとるシギ・チドリ、カモメ、サギ、カモたちを観察します。
上の写真は海辺から南側に広がる干潟を闊歩するダイシャクシギ(英名;Eurasian Curlew、体長 60p)です。
クロツラヘラサギの群れがすぐ近くに
こちらは浜辺からそう遠くない場所で休んでいるクロツラヘラサギ(英名;Black-faced Spoonbill、体長 77p)の群れです。
採餌しているツクシガモの群れのそばに舞い降りるクロツラヘラサギの一団。
ツクシガモたちのそばで採餌するクロツラヘラサギ。ちなみに日本野鳥の会佐賀県支部ホームページの東よか干潟情報によれば、この日見られた主な野鳥は数の多い順にツクシガモ(1,740羽)、ズグロカモメ(1,210羽)、ダイゼン(989羽)、シロチドリ(509羽)、ダイシャクシギ(194羽)、セグロカモメ(39羽)、クロツラヘラサギ(34羽)などとなっています。
泳ぎながら採餌するツクシガモの群れ。
数えきれないほどのハマシギの大群
次第に潮が満ちてくるとその都度ハマシギ(英名;Dunlin、体長 21p)の大群がまだ潮が満ちていない休息や採餌のできそうな砂浜を目指して一斉に飛び立ちます。
空いている場所を見つけてわれ先に舞い降りるハマシギたちです。
ハマシギが乱舞する浜辺はほかの海鳥も入り混じって大混乱です。
浜辺で休息をとるハマシギの群れ。満潮で砂浜が消えるといずこへか飛び去って行くのだそうです。
浜辺近くで採餌するズグロカモメ
砂浜で採餌するズグロカモメ(英名;Saunder's Gull、体長 32p)。好物のカニを探しているのでしょうか。
ハマシギの休んでいる砂浜の波打ち際をよく観察するといろいろなシギやチドリなどが混じっています。画面中央付の赤色が目立っているのは夏羽のオグロシギ(英名;Black-tailed Godwit、体長 38.5p)です。左側の大きなのはセグロカモメ(英名;Herring Gull、体長 61p)、オグロシギの左右に5羽いるのはダイゼン(英名;Grey Plover、体長 29p)、オグロシギの左側で同じくらいの距離のところにはシロチドリが4羽ほど休んでいます。拡大した画面で確かめてみてください。
セグロカモメ。
ソリハシシギ(英名;Terek Sandpiper、体長 23p)もやってきました。
ミヤコドリ(英名;Oystercatcher、体長 45p)です。
ツルシギ((英名;Spotted Redshank、体長 32p)もいました。
稀な旅鳥のソリハシセイタカシギとの出会い
満ちてきた潮が浜辺を覆いつくしたころ、地元のバーダーから珍鳥のソリハシセイタカシギ(英名;Pied Avocet、体長43p)がいると教えてくれました。
ソリハシセイタカシギはこの場所で1時間ほどじっと休んでいたのだそうです。
ほどなくソリハシセイタカシギは満潮のよか干潟から飛び去りました。
よか干潟公園の中で見かけたメジロ(英名;Japanese White-eye、体長 12p)
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