火山の島、三宅島で出会った野鳥たち
竹芝桟橋から橘丸に乗船、台風一過の荒れる八丈島航路で6時間の眠れない夜を過ごした翌朝早くに、ようやく三宅島の港に入港できました。
1940年、1962年の噴火口付近の赤場暁と呼ばれる風景です。今は穏やかな状況で、崖の真下の海辺にはアオウミガメたちが海草を食べにやってきます。
赤場暁付近の崖下の海底に生えている海草を食べにやってきたアオウミガメ(英名;Green Turtle)。
2000年の大噴火では二酸化硫黄が大量に噴出し、全島民が島から避難したこともありました。こちらは平穏さを取り戻した雄山の美しい姿です。
灌木の先で囀るウチヤマセンニュウ
最初に観察に出向いたのはこの時期夏鳥として三宅島にやってきて繁殖するウチヤマセンニュウ(英名;Styan's Grasshopper Warbler、体長 17p)です。早朝の海を臨む草地のあちこちで「チッチ チョイチョイチョイ」と細い枯れ枝の先で囀るウチヤマセンニュウは容易に見つけることができました。
自分のテリトリーを他の仲間にアピールしているのか、カメラマンを意識してなのか、かなり近い所に出てきて囀るウチヤマセンニュウ。
やはり人が知被くのを警戒せているようですね。
きっと近くに営巣場所があるのでしょう。
にぎやかに囀るイイジマムシクイ
日差しを受けた森の中を「チュィチュィチュィ…」、「チュピチュピチュピ…」と囀りながら飛び回るイイジマムシクイ(英名;Iijima's Leaf Werbler、体長 12p)。三宅島などで繁殖します。
明るい場所に止まったところをきれいに撮影できました。
三宅島、御蔵島、八丈島で暮らすオーストンヤマガラ
普段見かけるヤマガラ(英名;Varied Tit)よりも黒っぽく見えるオーストンヤマガラ(英名;Owston's Tit、体長 15p)に出会いました。
宿の庭先にある餌台に次々にやってきてポーズをとってくれました。
こちらは親鳥に続いてやってきたオーストンヤマガラの幼鳥です。
真紅とピンクの花のそばにやってきてくれて、とてもきれいな写真になりました。
人里近くで暮らすカワラヒワ
餌箱を狙ってカワラヒワ(英名;Oriental Greenfinch、体長 15p)も家族と一緒にやってきます。
大路池の上空を飛ぶミサゴ
大路池(たいろいけ)の周辺を探鳥していると上空をミサゴが飛びました。
満々と水をたたえた大路池は2000年以上前に水蒸気爆発でできた火口湖で、三宅島の貴重な水源となっています。
樹上でさえずるタネコマドリ
コマドリ(英名;Japanese Robin、体長 14p)の亜種、タネコマドリは三宅島の森の住人です。短めのさえずりは聞こえてきても繁ったたくさんの葉っぱに隠されてなかなか見つけられません。
自慢のノドを披露してくれました。
地上に降りてきてエサを探します。
目を凝らすとあちこちで見かけるメジロ
チィー、チィー、チュピチュピと鳴き声のする方にじっと目を凝らしていると時々見通しの良い場所で様子見するメジロ(英名;Japanese White-eye、体長 12p)の姿を見つけることができます。
虫を捕まえたメジロ。一瞬枝にとまってゆっくり食べる場所を探します。
水場に水浴びにやってきた二羽のメジロ。
愛くるしいアカコッコ
三宅島の野鳥を代表するアカコッコ(英名;Izu Thrush、体長 24p)ですが、近年その数は激減してしまいアカコッコ館のスタッフにより懸命の保護活動が行われています。ネズミによる農林業への被害を減らすために導入されたホンドイタチによる食害がアカコッコに大きなダメージを与えてしまったのだそうです。
もう現れないかなと思い始めたところ、ようやくお気に入りの枝に止ってくれました。
虫を捕まえたアカコッコ。
この付近で子育てしているメスのアカコッコが餌探しに出てきました。頭部の真っ黒なオスに比べメスは地味な茶色でアカハラに似ています。
アカコッコの天敵となったホンドイタチは島内のあちこちで見かけました。
目立たないミヤケコゲラ
三宅島に住むコゲラ(英名;Japanese Pigmy Woodpecker、体長 15p)の亜種、ミヤケコゲラは図鑑によればコゲラよりも色が濃いとありますが、この個体はあまり濃い色には見えません。
虫を見つけたミヤケコゲラ。こちらの個体は少し色が濃いようです。
最後に出会えたモスケミソサザイ
伊豆諸島に生息するミソサザイ(英名;Winter Wren、体長 11p)の亜種、モスケミソサザイ。色が濃くくちばしが長いのが特徴です。
三宅島の滞在時間切れでモスケミソサザイは彼らに出会えたという証拠写真となりました。
帰路、船上から見えた採餌するオオミズナギドリの群れ。海面付近にたくさんの魚がいるようです。
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