2022年の春に出会った野鳥たち(2022.3-2022.05)
春は冬鳥が少しづつ姿を消していき留鳥と夏鳥たちは恋の季節柄を迎えます。からし菜の黄色い花が一面に咲く河原では人目を忍びながらデートするキジ(英名;Common Pheasant、体長♂80p ♀60p)のツガイを見かけることができました。
☆最初に、この春に初めて出会って撮影した野鳥4種類をご紹介します。
3月のある日よく行く近くの川の堤防を探鳥しているとカルガモ3羽が青空の中を飛んでいきます。家に帰ってよく見ると先頭の一羽の顔から胸にかけてカルガモとは違っています。野鳥に詳しい友人に問い合わせたところ、これは「マルガモ」といわれるカルガモとマガモの交雑種と教えていただきました。
数週間後サクラの花が終わった近くの公園で同一個体と思われるマルガモを見つけました。
池から飛び立つマルガモです。 (撮影地;埼玉県)
亜種オオアカハラとの出会い
4月後半よく行く公園のグラウンドにアカハラ(英名;Brown-headed Thrush、体長 24p)が一羽採餌しているところを見つけました。帰ってから「鳥くんの比べて識別野鳥図鑑670」と見比べてみるとこの個体には雨覆先端にバフ白斑があります。頭に丸みもありオオアカハラ1Wと考えられます。
山渓ハンディ図鑑7によれば「種アカハラ」は千島列島の択捉島で繁殖する亜種オオアカハラと国後島以南で繁殖する亜種アカハラの2亜種に分類されているそうです。しかし2亜種はよく似ていて識別はなかなか難しいようです。この日出会ったオオアカハラはこれから繁殖地の択捉島までの長旅に出発するのでしょうか?
夏羽のコオバシギとの出会い
4月下旬、三番瀬に稀な旅鳥のコオバシギ(英名;Red Knot、体長 24p)が来ていると教えていただき早起きをして見に行きました。お腹の色が綺麗な赤色のシギ類7,8羽ががチュウシャクシギやハマシギに混じって飛んでいるのを見つけてシャッターを切りました。
このお腹の赤いのがコオバシギ(英名;Red Knot、体長 24p)でした。かなり離れた場所でしたがチュウシャクシギ、ハマシギに混じって採餌する姿も撮影できました。
採餌後帰っていくコオバシギの群れ。
大木の頂上付近で鳴き続けていたホトトギス
5月下旬、樹木の葉がとてもたくさん繁ってきた公園の森でトッキョ、キョカキョク=「特許許可局」と聞き做しされるホトトギス(英名;Lesser Cuckoo、体長 28p)の声が聞こえてきました。同じ場所から聞こえてくる声を頼りにドングリの大木の下で目を凝らしてその姿を探しました。
ようやく20メートル以上はありそうな高い木のてっぺんから少し下の枝に沿うように止っているホトトギスを見つけることができました。
☆ここからはこの春撮影した印象に残る場面を紹介します。
5月初旬、田植えの準備ができたばかりの田んぼの畔で1羽のアマサギ(英名;Cattle Egret、体長 51p)が獲物を探していました。
アオジの水浴び
雨上がりの朝の公園の水たまりにアオジ(英名;Black-faced Bunting、体長 16p)が水浴びをしに出てきました。
辺りに人影もなく、安心して身体の汚れを落とします。
羽の奥まで洗い落しているのか、ものすごい水しぶきが上がります。
イソヒヨドリの採餌
連休で泊った宿の芝庭を探鳥しているとイソヒヨドリ(英名;Blue Rock Thrush、体長 24p)が現れました。三角屋根のてっぺんに止って辺りの様子を伺います。
人気のないのを確かめるとようやく芝生に降りてきて獲物を追いかけます。
しばらく食べると木陰に隠れて一休みです。
姿がとても綺麗なオナガ
オナガ(英名;Azure-winged Magpie、体長 37p)の家族が若葉の生い茂った樹木の中で何かを食べています。一羽のオナガは木の高いところに止って見張り役?
こちらは公園の森の中から小川の近くまでやってきたオナガ、他にも数羽が近くにやってきています。どうやら水を飲みに出てきたようです。
じっと座って見ているとサッと水辺に降りてきて素早くのどを潤します。
恋の歌を歌うガビチョウ
気持ちよさげにラブソングを歌うガビチョウ(英名;Chinese Hwamei、体長 25p)
草むらでオスに求愛給餌をねだるガビチョウのメス。
コゲラの春
繁殖期を迎えるとオスのコゲラ(英名;Japanese Pigmy Woodpeker、体長 15p)の頭頂部には赤色の羽が目立つようになります。
花の散ったサクラの葉柄に付いている虫を探すコゲラ。
甘いものが大好きなヒヨドリ
蜜を持っている花を探してサクラの枝を渡るヒヨドリ(英名;Brown-eared Bulbul、体長 27p)。
嘴をサクラの花粉で黄色く汚しながら花の蜜を食べ回るヒヨドリ。
ようやく熟れ始めたサクランボの木にやってきて美味しい赤い実を探すヒヨドリ。
世代をつなぐホオジロの春
4月中旬、タンポポの咲く草むらをホオジロ(英名;Meadow Bunting、体長16p)のツガイが採餌しています。
5月初旬、草原の小高い枝先に止って名調子でさえずるホオジロのオス。近くにある巣を守っているようです。
5月下旬、羽繕いをしながら休んでいた親鳥のところに巣立って間もない幼鳥が餌をもらいにやってきました。親鳥はすぐに逃げ出してしまいました。もう面倒は見切れないといった様子でした。ヒナドリは尻尾の羽がまだなくてかわいらしいですね。
活力あふれる春のスズメ
スズメ(英名;Eurasian Tree Sparrow、体長 14p)はサクラの花芽どきが大好き、美味しい花の蜜を食べたり次々に芽吹いてくる葉っぱに付く小さな虫たちを食べられるからです。
河原の草原はスズメたちの栄養源となる昆虫や草の実を簡単に食べられる大切な食事の場所となります。
草藪の中では営巣、子育てもしています。子育ての合間に羽繕いする親スズメの傍には餌をねだるヒナが纏わりついています。
縄張りを鳴きながら飛び回るセッカ
ヒッ、ヒッ、ヒッ、...チャチャッ、チャチャッ、チャチャッと縄張りのある草原の上空を飛び回るセッカ(英名;Zitting Cisiticola、体長 13p)。飛ぶのに疲れると背丈の高い草などに止って羽を休めます。
頭掻きをしてリラックスしています。
家族を増やすモズ
狩りをするモズのオス。
優しい顔つきのモズのメス。
☆海辺の出会い・・・ハマシギからのご紹介です。
夜明け前、三番瀬の浜辺には砂浜で眠るハマシギ(英名;Dunlin、体長 21p)の群れがいました。
日が昇るとハマシギの群れが一斉に餌場を目指して飛び立ちます。
採餌を始めた仲間の周りには次々にハマシギがやってきます。
一羽でくつろぐハマシギ。
三番瀬の住人、ミヤコドリ
水面近くを餌場を探して飛ぶミヤコドリ。
もうじき潮干狩りシーズン、好物のアサリも大物が期待できます。
チュウシャクシギやオオソリハシシギの群れに混じって飛ぶミヤコドリ。
夏羽のトウネン
堤防下の水際で採餌する夏羽のトウネン(英名;Red-necked Stint、体長 16p)。
トウネンというと小さな海鳥という印象ですがスズメ(体長 14p)よりも大きいです。
旅鳥のチュウシャクシギとオオソリハシシギ
チュウシャクシギ(英名;Whimbrel、体長 42p)の小群がかなり遠くの浅瀬に舞い下りました。
チュウシャクシギはカニが好物のようですが距離があって採餌場面は見えませんでした。
こちらも旅鳥のオオソリハシシギ(英名;Bar-tailed Godwit、体長 39p)、採餌してい一羽がエビをゲット、仲間が急ぎ足で様子を見に近づいてきます。
獲物を探す二羽のオオソリハシシギ。
キョウジョシギとコチドリの食事
波打ち際の岩に付いた海藻の中をキョウジョシギ(英名;Ruddy Turnstone、体長 22p)の群れが熱心に餌を探しています。
江戸時代から京女のように美しいシギということでキョウジョシギと呼ばれていたそうです。
ユーラシア大陸やアメリカ大陸北部で繁殖し日本では旅鳥としてやってくるのだそうです。
こちらは堤防の波打ち際で食べ物を探すコチドリ(英名;Little Ringed Plover、体長 16p)。金色のアイリングが際立ちます。
☆春の訪れと共ににやってくるコマドリ
山にやってきたコマドリ(英名;Japanese Robin、体長 14p)がいろんなポーズを取ってくれました。
こちらはコマドリのメスです。
メスは静かに採餌します。
オスは近くまでやってきます。
虫を捕まえました。
もうちょっとで囀ってくれそうでしたが、…。
とても癒されたひと時でした。
春の山、様々な出会い
渓流に横たわった流木の上でくつろぐカワガラス(英名;Brown Dippert、体長 22p)。
木の幹を下の方から上に向かって走るように採餌するキバシリ(英名;Eurasian Treecreeper、体長 14p)
木々の間を忙しく飛び歩いて採餌するゴジュウカラ(英名;Eurasian Nuthach、体長 14p)
谷中に響き渡る大きな声で囀るミソサザイ(英名;Winter Wren、体長 10p)
お決まりのソングスポットで羽繕いした後囀るミソサザイ、羽繕いの際肩羽の下から現れた青色の羽毛が出たままです。
深い森の大木のてっぺんで囀るオオルリ(英名;Blue-and-white Flycacher、体長 16p)
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