夏の北海道で出会った野鳥たち
6月の北海道小旅行では道央の白金温泉と旭岳をめぐり、富岡町のサロベツ湿原を見てから羽幌港からフェリーで天売島を回り夏の北海道探鳥を満喫してきました。写真は白金温泉の名勝、白髭の滝です。
白髭の滝の周囲の森はアオバトの住み家
深い森の奥の大木の枝にはアオバト(英名;Japanese Green Pigeon、体長 33p)の姿がありました。
子育て中のニュウナイスズメ
ヒナにエサを運んできたニュウナイスズメ(英名;Russet Sparrow、体長 14p)の母親。
黄色の嘴が可愛らしいニュウナイスズメのヒナ。
散策路で出会ったハシブトガラ
一羽のハシブトガラ(英名;Marsh Tit、体長 13p)が林縁の小枝に止まってポーズをとってくれました。
巣穴に戻ってきたヤマゲラ
探鳥も終了間際、大きな鳥が道を横切って飛んできて木の幹に止まりました。目を凝らすとなんとそれは北海道に住むキツツキの一種、ヤマゲラ(英名;Grey-headed Woodpecker、体長 30p)のオスです。ヤマゲラの前には新築した真新しい巣穴が見えています。
巣穴から顔を出したヤマゲラ、頭頂部が赤いのでオスです。ヤマゲラを見るのも撮影するのもこれが初めてで大感激でした。
翌朝、ヤマゲラの巣穴近くでアカゲラ(英名;Great Spotted Woodpecker、体長 24p)の声が聞こえてきました。あたりを探していると枝に止まっているヤマゲラのメスを見つけました。
次の瞬間ヤマゲラは隠れていたアカゲラを猛然と追い立ててどこかに飛んでいきました。どうやらヤマゲラは巣穴を見守っていたようです。
早朝の探鳥で出会ったクマゲラ
朝早く目が覚めたためホテル周辺を探鳥していると「キョーォ」と聞きなれない鳴き声とともに何かが飛んできました。それは今回の旅で会えるのをひそかに期待していたクマゲラ(英名;Black Woodpexker、体長 46p)のオスです。ここでは人の生活しているすぐそばにクマゲラが暮らしているのです。
倒木の上でエサを探しながら大きな声で鳴くクマゲラ。きっと近くにいるメスに合図をしているのでしょう。
クマゲラも初めて撮影することができて大興奮でした。
いまだ雪景色の旭岳
朝一番のロープウェイで到着した姿見駅はいまだ残雪に覆われた冬景色。雪渓を踏みしめながらハイマツの林が広がる展望台に登って、高山の野鳥を探しました。上の写真は擂鉢池の手前から雲に隠れた旭岳山頂方面を望んだ風景です。
遠くで鳴いているカヤクグリ
ハイマツの上で綺麗な声で囀るカヤクグリ(英名;Japanese Accentor、体長 14p)。もっと近くに来てほしいと願うほど離れた場所です。
岩の上のカワラヒワ
大きな岩の上に止まったカワラヒワ(英名;Oriental Greenfinch、体長 15p)。
お目当てのギンザンマシコ
旭岳にやってきたのはここのハイマツ林に住むギンザンマシコ(英名;Pine Grosbeak、体長 22p)に逢うためです。ハイマツの林が見渡せる展望台について30分ほど後、いきなりギンザンマシコのメスが目の前のハイマツの枝先に飛び出しました。
遠く離れたハイマツに止まったギンザンマシコのオス。オスは綺麗な赤い羽色をしていますが、この日は遠くからしか見られませんでした。
登山道のわきに咲いていたシャクナゲ。
雨のサロベツ原生花園のオオジシギ
断続的に雨が落ちてくるサロベツ原生花園ではオオジシギ(英名;Latham's Snipe、体長 30p)があちこちでにぎやかな求愛飛行を繰り返していました。
雨間に現れたノゴマ
濡れそぼった低木の上に現れたノゴマ(英名;Siberian Rubythroat、体長 16p)のオス。
コバイケイソウに止まったホウアカ
今年のサロベツ原生花園はエゾカンゾウなどの花が極端に少なく残念でした。こちらはコバイケイソウに止まったホウアカです。
イタドリに止まったアオジ
雨模様の天気のためか野鳥の姿もとても少なく残念なサロベツ湿原でした。こちらはイタドリに止まったアオジ(英名;Black-faced Bunting、体長 16p)。
フェリーで渡った天売島
海鳥の繁殖する天売島には羽幌(はぼろ)港からフェリー「オロロン2」に乗って一時間半で到着です。
ウミネコの繁殖地を訪ねる
島の一角はウミネコ(英名;Blask-tailed Gull、体長 43−47p)の営巣地となっていて、海岸端の斜面ではたくさんのウミネコたちが子育てをしています。
営巣地の上を警戒するようにウミネコたちが海風に乗って次々と飛んでいます。
海岸の草地に目を凝らすとウミネコの親鳥たちの間には黒っぽい羽毛に覆われたヒナの姿がたくさん見られました。
こちらは成長したヒナドリが大きく羽を広げながら親鳥(左側)の口に嘴を入れてエサをもらっています。
波打ち際の岩場で休むウミウ
ウミネコの営巣地の脇の岩場ではウミウ(英名;Japanese Cormorant、体長 84p)たちが羽を休めていました。
夕暮れ時の空を舞うアマツバメ
月が見えてきた夕暮れ時の空をアマツバメ(英名;Pacific Swift、体長 20p)が飛び回って採餌していました。
天売島の丘から遠望した隣の焼尻島。天売島と同じく周囲12qほどの日本海に浮かぶ小島です。
島内の各所で囀っていたノゴマ
島内の草地では、囀るノゴマ(英名;Siberian Rubythroat、体長 16p)のオスが各所で見られました。きっと草の中に巣を構えて子育てしているのでしょう。
一面に繁ったイタドリに止まって、テリトリーを主張して囀るノゴマ♂。
ソングスポットのワイヤーロープの上を走るノゴマ♂。
草原にはエゾカンゾウの花が咲いていました。
宿屋の庭木に止まっていたコムクドリ
宿屋に着くと庭木のてっぺんに止まっているコムクドリ♂(英名;Chestnut-cheeked Starling、体長 19p)が目に入りました。
観察していると庭木の周辺を飛びながら盛んに囀ります。きっと近くに営巣しているのでしょう。
天売島で繁殖する80万羽のウトウ
天売島はウトウ(英名;Rhinoceros Auklet、体長 38p)の大繁殖地です。人が立ち入らない草地の地面に巣穴を掘って子育てをします。日が暮れてくるとヒナのために小魚などをくわえたウトウがものすごいは音を立てながら次から次に際限もないくらいに草地に飛び込んできます。
イタドリの林の中の自分の巣穴に帰ってきたウトウ。広大な繁殖地の中の無数の巣穴の中から自分の巣をどうやって見つけられるのかとても不思議です。
無数の巣穴が並ぶウトウの繁殖する丘。ここでは10m四方に200個以上の巣穴が密集しているのだそうです。
海の上を飛ぶウトウ。波を切って走るフェリーの上から撮影しました。
上の3枚の写真はウトウが海に潜る瞬間を連続撮影したものです。
海面に浮かぶウトウの群れ。ウトウの狩りは集団で水中に潜ってチームプレーで魚を追い込んで獲ります。水深100mまでも潜ることができるのだそうです。
赤岩付近で繁殖するオロロン鳥
天売島はオロロン鳥、正式な和名はウミガラス(英名;Common Murre、体長 43p)の繁殖する島として有名です。1960年頃には8千羽ほどが生息していたということですが、近年急激にその数が減少して一時は20羽を切るほどに激減して絶滅寸前になってしまいました。島を上げての懸命な保護活動が行われてきて、今では50〜60羽ほどを数えることができるそうです。上の写真は島の南端にある赤岩展望台から海面近くを飛ぶ一羽のウミガラスを幸運にも写すことができました。
波立つ海面から高さ48mも突き出ている赤岩の奇観。拡大してみると岩の表面には無数の亀裂がありすごい迫力です。
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