沖縄と宮古島で逢った野鳥たち
2016年10月、少人数のグループで沖縄本島と宮古島の探鳥地を訪れてたくさんの野鳥に出会いました。この時撮影できた南国の野鳥たちを順番にご紹介します。
沖縄本島での出会い
海辺でエサ捕りするキアシシギ
キアシシギ(英名;Grey^Tailed Tattler、体長 25p)がエサを探しています。
シロガシラの食事
農道の脇の樹木の中をエサを探してシロガシラ(英名;Light-vented Bulbul、体長 18p)を見つけました。
砂浜でエサを探すチュウシャクシギ
海岸べりの砂浜にいたチュウシャクシギ(英名;Whimrel、体長 42p)。
タイモ畑のクロハラアジサシ
南西諸島では一般的なタイモ畑にきていたクロハラアジサシ(英名;Whiskered Tern、体長 33-36p)。二羽いるクロハラアジサシの左側はセイタカシギです。
じっとして水生昆虫などを狙うクロハラアジサシ。右側はタカブシギです。朝夕、タイモ畑にはたくさんの野鳥たちが採餌にやってきます。
飛び立ったクロハラアジサシ。冬羽で頭頂部はごま塩状のまだら模様です。
こちらは冬羽のハジロクロハラアジサシ(英名;White-winged Black Tern)です。耳のあたりの斑がヘッドフォン状に目の下までかかっています。
かわいらしいヒバリシギ
小さなヒバリシギ(英名;Long-Toed Stint、体長 14.5p)が足の長いセイタカシギとエサ探しをしています。(中央右側がヒバリシギです。)
早朝の静かな水辺でじっと獲物の現れるのを待つヒバリシギ。鏡のような水面にくっきりと姿が写っています。
エサになる虫の多い泥田で採餌するヒバリシギ。
ヒシクイの家族との出会い
田んぼの片隅に数羽のヒシクイ(英名;Bean Goose、体長 85-95p)を見つけました。越冬地のある中国大陸への旅の途中なのでしょうか。
草地で採餌するアマサギの群れ
沖縄ではあちこちでアマサギ(英名;Cattle Egert、体長 51p)を見かけました。
探鳥に訪れた海岸、どんな野鳥に逢えるかな。
ユーモラスなリュウキュウヨシゴイ
用水路の草むらでリュウキュウヨシゴイ(英名;Cimmamon Bittern、体長 40p)を見つけました。
人の気配に気づくとじっと空を見上げて動かなくなりました。お腹の縦斑があるこの個体はメスと思われます。
こちらは宮古島で農地の水路に飛んできたリュウキュウヨシゴイ。羽色に赤味があまりなく胸には明瞭な縦斑があるところから見て若鳥なのでしょうか。
沼地で採餌するクサシギ
短い足のクサシギ(英名;Green Sandpiper、体長 22p)がお腹を水につけながらエサを探していました。
探鳥地の夜明け
田んぼに住むバン
小さな田んぼが何枚も並んでいる水田地帯でバン(英名;Common Moorhen)を見かけました。
森林公園の中で壊れた機械がきしんでいるような大声で鳴いていた南国のセミ。
蜜を吸う蝶。
夕方の探鳥で見つけたオオコウモリ
ヤンバルクイナを探して夕闇迫る森の道を歩いているとき大きなコウモリを見つけました。オリイオオコウモリといって奄美諸島以南に住むクビワオオコウモリの亜種だそうです。首の回りが襟巻のように白っぽいのが特徴です。
憧れのヤンバルクイナが目の前に
幻の?ヤンバルクイナ(英名;Okinawa Rail、体長 35p)。以前は農家の庭先などでもよく見かけることができたようですが、交通事故や外来の捕食者の影響で数が減ってしまいなかなか観察するのが難しくなってしまいました。写真は早朝かなり離れた道路わきに現れたヤンバルクイナです。
念願がかなえられました。すぐそばに現れたヤンバルクイナの雄姿です。真っ赤な嘴と足がとても印象的です。
さらに近づいてくれました。望遠レンズの付いたカメラでは大きくなりすぎて撮影できませんでした。
間近でヤンバルクイナを観察でき大満足でやんばるの森を後にしました。
宮古島の野鳥との出会い
クロサギの狩り
宮古島の探鳥地につくと目の前の砂浜で水際を猛然と駆けているクロサギを見つけました。何かを追いかけているようですが、・・・。
クロサギが追いかけていたのは浅瀬を泳ぐたくさんの小魚の群れです。この後クロサギは水に飛び込み一匹の小魚をゲットしました。
小魚を丸呑みするクロサギ。
狩りの成功で食欲が満たされたようです。悠然と翼を広げて飛び去っていきました。
翌日別な場所で見かけたクロサギです。
ツバメとリュウキュウツバメ
湖面の上を飛翔しながら水面にタッチして水飲みするツバメ(英名;Buen Swallow、体長 17p)
こちらはリュウキュウツバメ(英名;Pacific Swallow、体長 14p)です。顔から胸にかけて赤味があり、お腹は灰褐色でツバメよりもくすんだ色合いです。
沖縄県では冬鳥のメダイチドリ
シベリア東部などで繁殖するメダイチドリ(英名;Lesser Sand Plover、体長 20p)を見かけました。
冬の間、食べ物の豊富な宮古の海で頑健な身体作りをすることでしょう。
あちこちで見かけるイソヒヨドリ
住みやすい環境があるためかイソヒヨドリ(英名;Blue Rock Thrush、体長 23-25.5p)は島の各所で見かけることができました。
岩場で見かけるだけでなく、緑の木の横枝に止まってくれたりで感激しました。
いかにも南の島の情景の中のイソヒヨドリです。
用心深いシロハラクイナ
探鳥していた畑の奥にシロハラクイナ(英名;White-brested Waterhen、体長 32p)を見つけました。
しばらくこちらの様子を伺っていましたが、向きを変えて茂みの中に去っていきました。
どこまでも青い宮古の空とエメラルドグリーンの海。
オスが子育てするミフウズラ
早朝、サトウキビ畑の中でそっとミフウズラ(英名;Barred Buttonquail、体長 14p)を探しました。小さな体なのに動きがとても素早くてなかなか見つけられませんでしたが、ようやくにサトウキビ畑の中を採餌しながら動き回るミフウズラのツガイに出会いことができました。
一羽が茂みから出てきてすぐそばの開けた場所に出てきてくれました。
かわいらしいしぐさでポーズをとってくれました。
ミフウズラはオスが抱卵しヒナを育てるのだそうです。メスに比べると少し小さめで地味な羽色をしているそうですが素人目には区別は難しいです。
長い嘴が自慢のタシギ
用水路でタシギ(英名;Common Snipe、体長 27p)を見つけました。
シベリアなどの北国から越冬しに来ているようです。他のジシギ類よりも長い嘴が自慢です。
農耕地の堆肥置き場でミミズや虫などのエサを探すタシギ。
こちらは沖縄本島のタイモ畑で見かけたハリオシギです。(識別はむつかしいですが専門家の助言をいただきました。)
農地で採餌するタカブシギ
茶褐色のうろこ状の背中が特徴のタカブシギ(英名;Wood Sandpiper、体長 20p)が農耕地のあちこちで採餌していました。
わずかな生き物の気配に反応して素早く泥の中に嘴を差し込みエサを探します。
ちょっとカメラを気にして(?)振り向くタカブシギ。
トレードマークの足がきれいなアカアシシギ
水路のフェンスにアカアシシギ(英名;Common Redshank、体長 27.5p)が止まりました。水路で採餌した後辺りの様子見に出てきたようです。
暖かい気候の宮古島は食べ物の心配のない越冬地です。
渡り途中のコムクドリの群れ
数百羽の小鳥の群れが飛んできて近くの電線に止まりました。それはコムクドリ(英名;Chestnut-cheeked Starling、体長 19p)でした。フィリピン方面への渡りの途中と思われます。
止まっていた電線から一斉に飛び立ったコムクドリの群れ。
深い森に住むカラスバト
植物園で探していたカラスバト(英名;Japanese Wood Piegeon、体長 40p)がほんの一瞬散策路に姿をみせました。本州中部以南の島しょ部の森に生息しています。
カッコウに遭遇
海浜公園を探鳥しているときカッコウ(英名;Common Cuckoo、体長 35p)が飛んできて近くの枝に止まりました。東南アジア方面への渡りの途中なのでしょうか。
目線の高さのエゾビタキ
南方の国に渡っていく途中のエゾビタキ(英名;Grey-Streaked Flycatcher、体長 15p)が、草薮の細い枝に止まりながらフライイングキャッチで採餌をしていました。
さいたまで秋口に出会うエゾビタキは高い樹上で採餌する姿ばかりですが、ここでは目の前で何度も空中採餌してくれます。
背景となる周囲の草木も緑一色でエゾビタキがとても綺麗に撮影できました。
夜の公園を住処とするリュウキュウコノハズク
住処に侵入者の気配を察したオスのコノハズクが「コホォ、コホォ」と鳴きながら姿を現しました。
侵入者をにらむコノハズクの金色の虹彩が照明に照らされてギラリと輝きます。
月明りを背景に入れて撮影してみました。
リュウキュウコノハズクに初めて出会うことができました。晩さん会は宮古島名物のヤシガニをご馳走になりました。
朝焼けの中での探鳥
宮古島での探鳥は朝焼けとともに始まります。
少しだけ白んできた空を飛んできた鳥がいました。そのシルエットはリュウキュウアオバズク(英名;Ryukyu Brown Hawk-Owl、体長 29p)です。
植物園を探鳥していくと何か枝の中を動くものを見つけました。じっと立ち止まっていると顔を出したのはネズミ(種類は不明、宮古島ではネズミは害獣らしい)でした。
散策路の落ち葉の陰にいたのはミヤコヒキガエル。じっとして動きません。
高い樹上で何か大きなものが動きました。インドクジャク(英名;Indian Peafowl)です。羽の色はかなり色味がありますが尾羽は短くオスの若鳥でしょうか。
植物園に住むメジロ
メジロの群れが樹上を忙しく飛び回りながら採餌していました。
メジロの群れに混じって琉球メジロやサンコウチョウなどもいましたが残念ながら写せませんでした。
サトウキビ畑の中で姿を見せた野鳥たち
サトウキビ畑でキンパラ(英名;Tricolored Munia、体長 10-12p)と出会いました。
農道の水たまりに水を飲みにやってきたキセキレイ(英名;Grey Wagtail、体長 20p)。
キセキレイに続いてホウジロハクセキレイ(英名;White Wagtail、体長 21p)も水飲みにやってきました。
越冬生活を楽しむツメナガセキレイ
畑で採餌しているのは北方の大陸から宮古島に越冬にやってきたツメナガセキレイ(英名;Yellow Wagtail、体長16.5p)です。盛んに歩いたり飛んだりしながらエサ探しです。
冬羽に変わっていて英名のような黄色味はありませんが、自慢の長い爪を高く上げながら気取り顔で草地を歩くツメナガセキレイ君。
青々した草地はエサも豊富な様子、ここなら楽しく冬を過ごせますね。
宮古島最後の探鳥地は海辺の公園
公園のヤシの木を住処にしているシマキンパラ(英名;Scaly-breasted Munia、体長 11p)の家族に逢いました。葉の生い茂った隠れ家はとても安心な家ですね。
海辺の公園の草地でエサを探すイソシギ(英名;Common Sandpiper、体長 20p)を見つけました。草の中には好物の昆虫が隠れているのでしょう。
公園の芝の上を歩き回って採餌しているムナグロ(英名;Pacific Golden Plover、体長 24p)がとてもかわいらしくて何枚もシャッターを切りました。
好物の虫の幼虫を見つけたムナグロ。
ここで越冬するムナグロはすっかり冬羽に衣替えしています。春になると北極海の見えるシベリア地方に渡っていきます。
今回の沖縄本島・宮古島の撮影旅行で撮影してここに写真をご紹介できました野鳥は37種類、そのうち初めて写すことのできた野鳥は21種類にもなりました。経験の浅い私にとって多くの野鳥について勉強することのできた素晴らしい旅となりました。この旅を企画しご案内いただいた先輩方やご一緒いただき様々ご指導いただきました野鳥の諸先輩の皆さまに改めてお礼申し上げます。
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