熱帯の高山、キナバル山
インドネシア東マレーシア(ボルネオ島北部)サバ州コタキナバルを訪ねたのは2012年秋。コタキナバルとはキナバル山(標高4,095m)の麓の町という意味だそうです。熱帯雨林を再生するプロジェクト活動の一環で、多様な生物の住む熱帯の森の植林作業や、マングローブの林、熱帯雨林、アブラヤシ畑の見学の傍ら、熱帯の野鳥を見つめてきました。
コタキナバルの西の海に浮かぶガヤ島に向かう船から撮影したキナバル山の山容です。富士山より高く、熱帯にある雪の積もる山です。
長いくちばしのキバラタイヨウチョウ
ガヤ島に向かう港の桟橋付近で熱帯の代表的な小鳥、Olive-backed Sunbird(キバラタイヨウチョウ)に出会いました。体長12p、くちばしの長さはおよそ2pもあり花の蜜を吸いやすい形です。
このような口ばしを持つ小鳥は日本にはいませんが、マレーシアではかなり一般的な野鳥です。
最終日に宿泊したシャングリ・レ・ラサリアリゾート ホテルの庭は野鳥の楽園でした。ここではSunbirdをたくさん撮影できました。
地上にある植物の花の間も盛んに飛び回るOlive-backed Sunbird
こちらはOlive-backed Sunbirdのオスです。頭から背中は濃いオリーブ色、喉から胸までは黒色です。
メスは頭や背中は薄いオリーブ色、喉、胸、お腹はきれいな黄色です。
Yellow-vented Bullbull
バルバルと呼ばれるこの鳥はYellow-vented Bullbull (邦名;メグロヒヨドリ)というヒヨドリの仲間です。二羽で仲良くやすんでいます。きっとツガイなのでしょう。
日本のヒヨドリよりも器量よしで、花の蜜を食べていました。
バルバルが住んでいるのはラサリアリゾートホテルの広大な庭の中です。年間を通してたくさんの植物の花が咲き乱れるこの場所は、野鳥にとって絶好の生活の場となっているようです。
Asian Glossy Starling
Asian Glossy Starling (邦名;ミドリカラスムクドリ)というこれまた見たことのない色合いの野鳥です。カラス同様に全身が黒色ですが、目が真っ赤に光るちょっと異様な感じの野鳥です。ホテルの周辺の樹木や屋根の上に止まっていました。
高い枝の上であたりを睥睨するかのように真っ赤な眼でにらんでいます。
夕暮れ時に屋根に止まる Asian Glossy Starling の家族。メスはさすがに全身黒ではなく、お腹の部分は白っぽく縦縞の模様が見えます。
森に住む多様な生き物たち
オランウータンはかつては熱帯のフタバガキの森に住んでいました。森林の大樹が切り出され、森が植物油の原料となるアブラヤシ畑に置き換えられて、オランウータンは住処を失いつつあります。コタキナバルの自然保護区では、オランウータンの家族を見学しました。
人の手を借りて生活しているオランウータンたち。
オランウータンたちの食べ物を狙って、自然の中に住んでいるカニクイザルの群れが現れました。高い樹上を枝から枝へと飛び移りながらひとしきり賑やかでした。
サバ州の西方を流れるケリアス川の両岸のマングローブの林にはボルネオ島固有種のテングザルが住んでいます。樹上でくつろぐテングザルの母子を撮影しました。
テングザルのメスです。大きな鼻の持ち主のオスは残念ながら写せませんでした。
こちらはオオトカゲ。ケリアス川の岸辺の樹の上に何気に寝そべっていました。
サバ州キナルート地区の荒れた森林再生のための植林地域で木の枝にぶら下がっているオオコウモリ。羽を広げると50pほどになります。
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