子育てに大忙しのノゴマ
6月中旬、ノゴマに逢いに北海道石狩川河口近くの草原を訪ねました。きれいな鳴き声のするあたりに目をやると、赤いのどを自慢するようにノゴマ(英名;Siberian Rubythroat、体長 16p、♂)が小枝で囀っていました。野原に住んでコマドリのように美しい声でさえずる鳥というのがノゴマの名前の由来といわれています。
囀っているノゴマのいた方に近づいていくと虫をたくさん銜えていきなりすぐそばの灌木に止まりこちらを心配そうに見ています。
もう一羽のノゴマも虫をくわえてそばまでやってきました。こちらは喉の部分はかすかに赤みのあるメスのノゴマです。どうやら近くに営巣しているようです。子育ての邪魔にならないよう早々にその場を離れました。
しばらくするとオスが小木の枝に止まって囀り始めました。昨年道東を訪問した時は目指すノゴマにはほんの一瞬しか逢えずに残念な思いをしましたが、今年はシャッターチャンスが何度もあってとても良かったです。
夏羽のオオジュリン
頭部が真っ黒な小鳥が囀っているのを見つけました。オオジュリン(英名;Common Reed Bunting、体長 16p ♂)です。関東地方では冬羽のオオジュリンしか見られないのでうれしい出会いです。
よほど光の方向が良くないと黒い頭に目が入らない、うまく撮影するのがむつかしい鳥です。
この近くで営巣しているのか、こちらを気にして道路まで出てきました。
オオジュリンの住んでいるのは人気の少ない大草原の真っただ中です。
子育てが上手くいくことを祈ってオオジュリンに別れを告げました。
石狩川河口の草原風景。
ノビタキの可愛らしいヒナとの出会い
川の河口にある公園の草原ではあちこちでノビタキ(英名;Common Stonechat、体長 13p)の家族を見かけました。上の写真は巣立ったばかりのヒナに親鳥(♂)がエサを与えて飛び去ったところです。
ノビタキのヒナは嘴が黄色で尾羽がとても短く何とも言えない愛らしさです。
こちらはノビタキのお母さん、頭と背中が黒色のオスと比べると目立たない羽色ですね。
ちょっと一休み。
エサをねだる雛鳥。こんな可愛らしいしぐさでおねだりされたら親鳥たちはイチコロですね。
ちょっと待ってね、すぐにエサ獲ってくるから。
恥ずかしがりのホウアカ
この草原に住むホウアカたちはとても用心深くてなかなか近くに寄ってきてくれません。この写真は唯一そばに止まってポーズをとってくれたところです。
ここでも全体の姿は見せてくれませんでしたが、ハマナスの赤い花を背景に入れて撮影しました。
ホウアカたちもこの草原で目下子育て中です。用心深いのは当然ですね。
草原で見かけたキタキツネ
草原の高台に座ってお昼のサンドイッチを食べているところにキタキツネが現れました。急いでカメラを構えましたが、あっという間に草むらに消えていきました。
こちらは草刈りが終わったばかりの草地に獲物を探してやってきたキタキツネです。まだ体の一部に冬毛が残っています。
石狩湾の波が打ち寄せる砂浜。
草原で出会ったアリスイ
ロープでつながった鉄パイプの穴の中を一本一本覗き込みながら飛び回っている奇妙な鳥がいました。鉄パイプに止まったところを近づいてみるとそれはアリスイ(英名;Eurasian Wryneck、体長 18p)でした。
関東地方では冬に枯野原の灌木の上に出てきたりしますがこの日はきれいな草原のとても見通しの良いところで撮影できました。
どうやらアリスイはここで繁殖しているのではないでしょうか。
アカモズとの遭遇
思いがけなくお腹の白色が目立つアカモズ(英名;Brown Shrike、体長 20p)に出会いました。草原のはずれの高い灌木に止まって獲物を探す様子は遠目にもよくわかります。
松に止まってくれたらと思いましたが叶いませんでした。
人懐こいヒバリ
草原のあちこちでたくさんのヒバリ(英名;Eurasian Skylark、体長 17p)があるいは止まり木であるいはホバリングしながらにぎやかに囀っています。人の近くでもあまり気にせずにマイペースで暮らしています。
かなり低い位置でホバリングしながらの囀ってくれるため、その姿も大きく写すことができます。
束の間の休息をとるヒバリ。
ヒバリたちの生活を見守ってくれるハマナスももうすぐ花盛りです。
ソングスポットに姿を現すコヨシキリ
テリトリー内にいくつかのお気に入りソングスポットを持っているコヨシキリ(英名;Black-browed Reed Warbler、体長 14p)は同じように見えるたくさんの葦の中から特定の場所を選んで囀ります。
ライバルにテリトリーを知らせる場所はいつも決まっていることが大切なのでしょうね。
正体不明のカモに出会った
園内を探鳥していると何かが飛んできました。カメラを構えてかろうじてこの1枚を撮影できました。帰宅してからいろいろな野鳥図鑑を調べましたがどうも正体不明です。カモの仲間だと思いますがさてさて?コオリガモのメスとも思えますがはっきりしません。こんなこともあるのでしょうね。
円山公園で出会ったオシドリの親子
ある日小雨が降ったり止んだりしている円山公園を訪ねました。池の周りにカメラマンが数人集まっているので見に行ってみると子連れのオシドリ(英名;Mandarin Duck、体長 45p ♀)が数羽のヒナ鳥を連れて採餌していました。
ヒナたちは小さな体に似合わずすばしこく動き回りながらエサを摂っています。
母親はヒナたちの様子を見守りながら周囲も警戒してヒナたちに食事をさせています。
ヒナたちのお腹が満たされると皆そろって茂みに隠れて休みます。
野幌森林公園の探鳥
遠く離れたモミの木に10羽ほどのイスカ(英名;Common Crossbill、体長 17p)の小群がやって来たのが見えました。写真を撮りましたが遠すぎてイスカは豆粒にしか見えません。
赤味がかっているのはオス、緑色ぽいのはメスです。
園内の森でお目当てだったフクロウやクマゲラを探しましたが残念ながら今回は会えませんでした。
森の中でゴジュウカラ(英名;Eurasian Nuthatch、体長 14p)が木の幹に飛び出してきました。
こちらは巣立ったばかりのゴジュウカラのヒナだと思います。しばらくの間こちらの様子をじっと見ていました。
薄暗い林内の笹薮の中からは時折シリシリシリッ、シリシリシリッと虫の鳴き声によく似たヤブサメの声が聞こえています。声のするあたりでじっとしていると、一瞬小さな何かが飛び出してきてすぐに藪の中に消えます。かなり時間をかけてやっとヤブサメ(英名;Asian Stubtail、体長 11p)を画面の端にとらえることができました。
すばしこいヤブサメを撮るにはかなりのシャッタースピードが必要ですが薄暗い森の中ではISO感度をかなり大きくします。撮影するのにはなかなか手ごわい鳥です。
森が少し明るい林に変わったところでアカゲラ(英名;Great Spotted Woodpecker、体長 24p ♂)に出会いました。
アカゲラはケッ、ケッ、ケッと大きな声で鳴きながら林の中を飛び回り採餌していました。
ここで出会ったアカゲラはとてもハンサムさんでした。
森の中で見つけたオオシシウドの花。
森のはずれの明るい草地で見かけたカタツムリ。
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